病院機能評価の新規受審を検討する場合、どうしても情報不足からのスタートなのでコンサルの活用を検討されるかと思います。
今回はコンサル活用のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
コンサル活用のメリット
審査に合格するための情報が手に入る
コンサルは多くの病院の病院機能評価認証支援に携わってきた専門集団であるため、合格のためのノウハウが蓄積されています。
機構が出版している解説集にも、合格するための条件が項目単位で記載されていますが、具体的な数値的指標や方法論にまでは言及されていない内容も多いです。
これはある種、組織としてあるべき姿について検討して病院を作り上げてほしいという機構からのメッセージなのかもしれません。
しかし、病院に勤めている方のほどんどは医療従事者であり、それぞれが専門領域の業務に追われる毎日かと思います。
ここに病院機能評価の認証取得業務が追加されると、残業をする職員が生まれてしまうこともあるでしょう。
それであれば、その業務を生業としているコンサルに依頼した方が職員の情報集めや資料まとめといった無駄に時間と労力を要する業務負担も減り、尚且つ確実な情報を元に病院の質を改善できるので誰もがハッピーになれます。
改善のための課題管理・スケジュール管理をしてくれる
病院機能評価をいつ受審しても合格できるといった状態になっている病院はなかなか存在しないかと思います。
コンサルと契約をすると、まず現状の課題を洗い出すための現状調査が行われます。
現状調査とは、審査で確認される内容を一通り同様の審査さながらの質問や院内ラウンドなどが実施されて確認されることです。
ここで洗い出された課題を一年ほどのスケジュールを立てて審査に向けた準備・改善をすすめることになります。
すぐに改善ができる課題もあれば一朝一夕には改善できない課題も多いのが現実です。
そんな中でコンサルは課題管理やスケジュール管理の実施や、解決への目処が立たないものについては解決策を提示してくれます。
課題改善の進捗が芳しくない場合は催促なんかもしてくれます…
もちろん、職員の協力は必須ですがコンサルが軸足となってくれることによる準備のやりやすさは段違いなものとなるでしょう。
▼コンサルティングの具体的な内容はこちらの記事を参考にしてください。▼
コンサル活用のデメリット
コンサル契約費用がかかる
コンサルティングの相場としては約300〜500万円/年かかります。
病院機能評価の審査に掛かる費用は受審機能種別により変動がありますが、132〜495万円かかります。
コンサルを導入して病院機能評価審査を受審する場合、約450〜1000万円/年かかることになります。
病院の財政状況とも考慮しながら検討しましょう。
病院機能評価の受審準備を仕切れる人材が育成されない
病院機能評価は4年に1度、更新審査を受審する必要があります。
その都度コンサルと契約して認証支援をしてもらうということであれば問題ありませんが、更新審査からは院内の人材で対応することを考えている場合、病院機能評価の準備を仕切れる人材を育成しておく必要があります。
初回受審時にコンサルと契約をすれば、各領域のことはその時の担当者しか把握できていないという状況も発生しうります。
そうならないためには、2つ方法があります。
初回受審から病院機能評価認証プロジェクトのリーダーを決め、全ての領域・項目に携わり全体像を把握できるようになっておくこと。<その2>
2つ目は、コンサルティング契約の中に次期プロジェクトリーダーの育成も含めてもらい、全ての準備の工程に携わりコンサルから学ばせてもらうことです。
せっかく病院機能評価を受審するのであれば、医療の質が継続的に持続できる仕組みを作るためにも未来に目を向けてあらかじめ持続可能な環境を院内で構築しておきましょう。
まとめ
概ね費用面の課題が解決されれば、コンサル導入は大きなメリットを生み出すことは間違いないです。
提案を受けるだけであれば無料なので複数コンサル企業に連絡をとり、あいみつしてから検討するのがおすすめの方法です。
いろいろ話を聞いた結果、コンサルを入れずに病院単独で審査を受けることなったとしても問題ありません。
そのときは契約しなければいいだけなので、ひとまず積極的に情報収集することから始めてみるのがオススメです。