各病棟で電子カルテの記録を元に、入院患者の入院から退院までの一連の医療行為を確認される審査がケアプロセス審査です。
ケアプロセス審査に苦手意識を持っている担当者の方は多いのではないでしょうか。
そしてその苦手意識はどこからどんな突飛な質問が飛んでくるのかわからない、答えられない質問がきたらどうしよう…といったドキドキ感に起因しているのではないでしょうか。
しかし、対策はできます。
と言うのも、質問されるポイント(審査員が確認したいポイント)はある程度決まっているからです。
各専門職種に質問される内容はそれぞれの項目で詳しく説明します。ここではケアプロセスの中で必ず確認されるポイントをまとめています。
ポイントをまとめたチェックシートも特別にページ最後に添付していますので、ケアプロセスの練習で用いてみてください。きっと有意義なものとなるでしょう。
ケアプロセスで確認されるポイント
審査対象の病棟の性質にもよりますが、下記項目の内容が1病棟の中で複数人の患者で網羅的に確認されます。
それぞれで確認される具体的内容はチェックシートの中に記載しているので確認してみてください。
入院経路
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- 医師の入院指示はあるか
- 入院同意書は取得できているか(記載漏れなどないか)
- (紹介の場合)連携室は紹介先に情報連携できているか
- (紹介の場合)担当医は紹介先に情報連携できているか
- (外来から)通院中の記録は適切か
入院診療計画書
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- 入院の目的は明記されているか、適切な内容であるか
- 入院の目的は入院決定時の記録と相違ないか
- 入院の目的は紹介状の内容と相違ないか
- 計画されている期間は退院サマリーと相違ないか(相違している場合、その理由や根拠となる診療データなどは記録にのこされているか)
- 関与する各種専門職種による計画立案はなされているか
看護計画
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- 入院診療計画書の内容と相違ないか
- 入院目的と相違ないか
- 患者個人の特性を踏まえて作成されているか(コピペ運用になっていないか)
- 計画の更新はルール通りなされているか(患者状態に変化が生じた場合など、必要時に見直しがされているか。また変更ない場合でも見直しがなされた旨が確認できる状態になっているか)
褥瘡
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- 褥瘡評価は適切に実施されているか
- 診療計画は立案されているか
- 看護計画は立案されているか
- 褥瘡計画は立案されているか
- 他職種によるラウンドははなされているか
- 褥瘡がある、または発生リスクが高い場合にマットレスの変更など適切な対応がなされているか
- 褥瘡がある場合、経過観察は適時(病院のルール通り)なされているか
- NSTによる関与はあるか
転倒・転落
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- リスク評価は適切に実施されているか
- 看護計画の立案はなされているか
- 転倒転落防止計画の立案はなされているか
- ルール通りにリスクの再評価は実施されているか
- リスク評価が変更した場合、看護計画も変更しているか
- リスク評価の変更の理由は打倒か
- 転倒・転落時に適切な対応がなされているか
耐性菌
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- 連続使用期間はルール通り運用されているか
- 指針に基づいて抗菌薬は使用されているか
身体抑制
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- 同意書は取得しているか
- 必要に応じて追加取得されていいるか(抑制器具の変更があった場合など)
- 身体抑制開始時の医師の指示はあるか
- 身体抑制終了時の医師の指示はあるか
- 身体抑制中の確認は適時になされているか
手術
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- 術前訪問は実施しているか(麻酔科医、看護師それぞれ)、またその時の患者の様子などが記録にのこされているか
- 同意書は取得しているか
- IC実施時は看護師も同席しているか(望ましい)
- ICに看護師が同席できなかった場合、患者の手術に対する理解確認のためのルールはあるか
- 手術前にタイムアウトは実施されているか
- ガーゼカウントは適切か
- 針カウントは適切か
- 術後訪問は実施しているか(麻酔科医、看護師それぞれ)、またその時の患者の様子などが記録にのこされているか
- 手術に対するカンファレンスは適切に実施されているか
- 病棟看護師とオペ看の情報連携は適切に実施されているか
服薬指導
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- 持参薬を鑑別しているか
- 服薬指導を実施しているか
- 退院時の服薬指導を実施しているか
リハビリ
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- 同意書は取得しているか
- リハビリの処方箋はあるか(記載されているリハビリの目的は患者の要望を踏まえて明確に設定されているか、具体的なリハビリ内容や注意事項などが明記されているか)
- リハビリ実施計画書はあるか(処方箋に基づいて作成されているか)
- 定期的にカンファレンスが開催されているか
- リハビリと医師・病棟看護師は適切に連携しているか
- リハビリ実施前に評価されているか
- リハビリ実施後に評価されているか(実施前に比べて改善が見られるか、見られない場合その理由が考察されているか)
- 家屋評価は実施しているか
- 退院時指導は実施しているか
栄養
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- 栄養状態の評価は実施されているか
- 接触機能・嚥下機能の評価は実施されているか
- 栄養計画は立案されているか
- 栄養指導は実施されているか
- 看護師と連携が取れているか(喫食状況の確認など)
輸血
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- 同意書は取得しているか
- 医師の輸血指示記録はあるか、またその根拠は適切か
- ロット番号は控えられているか
- 輸血開始後、定期の確認はなされているか(実施時、5分後、15分後、終了時)
- 輸血後感染症検査は実施されているか
退院支援
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- カンファレンスは実施されているか
- MSWの活動記録は適切に残されているか
- DNRの意思確認はなされているか(期間が空いた場合は再度意思確認がなされているか)
- ドナーカードの確認は実施しているか
逝去
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- 死亡確認記録は適切に取られているか
倫理
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- 病棟内で十分な検討はなされているか
- 院内で比較的多く発生する倫理的課題についての対応方針はあらかじめ院内で検討がなされた上で定められているか
- 倫理的課題が発生した際は方針に従って対応できているか
- 方針に無い倫理的課題については適切な場にて十分な検討がなされた上で対応しているか
カルテの量的監査・質的監査
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- 医師のカルテ記載頻度は適切か(目安は、一般病棟:1回/日以上、包括・回復1回/2,3日以上、療養1回/週以上)
- カルテが手書きの場合は誰もが判読可能な記載となっているか
- 医師による口頭指示はあるか、ある場合ルールは明確に定められているか(後追い入力しているか、代行入力後に本人による承認がなされているか)
ケアプロセスチェックシート(※PDFデータ付き!!)
最後に上記内容をまとめたケアプロセスチェックシートを添付します。
カルテの内容と照らし合わせて確認してみてください。